スイスでお仕事ライフ

スイス、チューリッヒで仕事を始めて10数年。職場での日常をつづりたいと思います。

スイスでホームオフィス、その1

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リモートワークとかテレワークとかって、和製英語ですよね。きっと。

スイスドイツ語圏では、独語製英語?でリモートワークのことをホームオフィスと呼びます。

かれこれ一年、コロナのせいでホームオフィス中。

Zoomという会議用ソフトを、人数の多い会議なんかでは使いますが、ビデオで自分の姿を映すのはイヤなもんですよね。

今日はパジャマだからやめよ~、なんて言いだす仲間もいるし。

だからか、スカイプ通話で映像なし、音声のみの会議、書類をシェアしながら、が私の職場では通常です。

ちょっとした連絡事項はスカイプチャットを使っています。

30名ほどいる部署ですが、グループチャットも作って、みんなに伝えたいことなどはそこに書きます。

しかしこのチャット、結構くせもの。

グループみんなへの連絡事項はグループチャット、1対1の業務連絡用チャット、色々なお当番などあるんですが、そのお当番の人同士のチャット、個人的に親しくしている友人とのホンネチャット、などなど、画面の下に6から7のチャットが常に開けっ放しになっています。

グループチャットがピピっと鳴って、ボスから連絡。

「みなさ~ん。今のシステム作業終えてください。これから一人につき5~6件の審査案件配ります。急ぎです。アージェントよ~。」

え?もう午後4時よ。これから急ぎって?

すると、早速お友達のアンナから1対1のホンネチャット。

「信じらんなーい!これから一人6件?今日残業じゃない。」

「うん。ひどいね。この時間にね。」

とチャットで返信。

ある日、一人の仲間、仮にカロリンとしましょう。

カロリンは、またそんな忙しい時のボスのリクエストに、

「ちょっと。ひどすぎ、あのボス頭おかしいんじゃない?調べてもらったほうがよくない?」

と彼女の友達のミラベルに書きました。

書いたつもりでグループチャットに書いちゃったんです!

へ!!

グループチャットを見た私たち28人余りは、

Oh My Gott …

うわ~、書くチャット間違えたのね。

と誰もが心の中で思ったはず。

チャットは凍り付いたかのように、沈黙。

スイスの人たちって、意外とそういう場面にはおとなしく、周りの空気をうかがうんです。

 うーん、カロリンよく言った、その通り!とホンネでは思っても、沈黙。

なんか日本的って言えばそうかも。

5分の長い沈黙のあと、ボスが、

「うん。実は医者に行こうかと思っているんだけどね。

あはは。」

と一言書き入れ、フォロー。

その日はそれで終わりでしたが、かわいそうなカロリンはそのあと数日病欠しました。

その後彼女はそれが原因かどうかはわかりませんが、バーンアウト燃え尽き症候群、と診断され一年たった今も100パーセント仕事に復帰していない状態です。

きちんと相手を確かめてから、書かないと。

わかっていても忙しい仕事中。

オフィスにいる時なら、小さい声でつぶやくホンネ。

書いて残してしまうと大変です。

気を付けないと。