リモートワークとかテレワークとかって、和製英語ですよね。きっと。
スイスドイツ語圏では、独語製英語?でリモートワークのことをホームオフィスと呼びます。
かれこれ一年、コロナのせいでホームオフィス中。
Zoomという会議用ソフトを、人数の多い会議なんかでは使いますが、ビデオで自分の姿を映すのはイヤなもんですよね。
今日はパジャマだからやめよ~、なんて言いだす仲間もいるし。
だからか、スカイプ通話で映像なし、音声のみの会議、書類をシェアしながら、が私の職場では通常です。
ちょっとした連絡事項はスカイプチャットを使っています。
30名ほどいる部署ですが、グループチャットも作って、みんなに伝えたいことなどはそこに書きます。
しかしこのチャット、結構くせもの。
グループみんなへの連絡事項はグループチャット、1対1の業務連絡用チャット、色々なお当番などあるんですが、そのお当番の人同士のチャット、個人的に親しくしている友人とのホンネチャット、などなど、画面の下に6から7のチャットが常に開けっ放しになっています。
グループチャットがピピっと鳴って、ボスから連絡。
「みなさ~ん。今のシステム作業終えてください。これから一人につき5~6件の審査案件配ります。急ぎです。アージェントよ~。」
え?もう午後4時よ。これから急ぎって?
すると、早速お友達のアンナから1対1のホンネチャット。
「信じらんなーい!これから一人6件?今日残業じゃない。」
「うん。ひどいね。この時間にね。」
とチャットで返信。
ある日、一人の仲間、仮にカロリンとしましょう。
カロリンは、またそんな忙しい時のボスのリクエストに、
「ちょっと。ひどすぎ、あのボス頭おかしいんじゃない?調べてもらったほうがよくない?」
と彼女の友達のミラベルに書きました。
書いたつもりでグループチャットに書いちゃったんです!
へ!!
グループチャットを見た私たち28人余りは、
Oh My Gott …
うわ~、書くチャット間違えたのね。
と誰もが心の中で思ったはず。
チャットは凍り付いたかのように、沈黙。
スイスの人たちって、意外とそういう場面にはおとなしく、周りの空気をうかがうんです。
うーん、カロリンよく言った、その通り!とホンネでは思っても、沈黙。
なんか日本的って言えばそうかも。
5分の長い沈黙のあと、ボスが、
「うん。実は医者に行こうかと思っているんだけどね。
あはは。」
と一言書き入れ、フォロー。
その日はそれで終わりでしたが、かわいそうなカロリンはそのあと数日病欠しました。
その後彼女はそれが原因かどうかはわかりませんが、バーンアウト、燃え尽き症候群、と診断され一年たった今も100パーセント仕事に復帰していない状態です。
きちんと相手を確かめてから、書かないと。
わかっていても忙しい仕事中。
オフィスにいる時なら、小さい声でつぶやくホンネ。
書いて残してしまうと大変です。
気を付けないと。