今日はハロウィーン、ですね。
スイスでは、ハロウィーンというと、ここ最近でこそ子供たちが仮装して近所を歩き、お菓子を集めて回ったりしますが、昔はなかったそうです。
しかし、ハロウィーンの起源はヨーロッパで、もともとはケルト民族のお祭りだったそうです。
ハロウィーンで使う、かぼちゃをくりぬいて作るジャック・オー・ランタン、あれはヨーロッパでは大きなかぶをくりぬいて作ったそうです。
そう言えば…
11月に入ると、ドイツ語でRäbenと言うこの大きなかぶ、あちこちスイスのスーパーやマーケットなどで売り出されるのですが、食用ではないのです。
大きさとしては、かぼちゃと比べたらずいぶん小型でしょうけれど、日本のかぶと比べたら巨大です。
この巨大なかぶ、、うすい紫色をしていますが、表面に色々な模様を彫刻し、中をくり抜いてろうそくを立てて、ランタンを作るために売り出されるのです。
このかぶで作ったランタンに火を灯し、子供たちが行列を作って歩き回るお祭り、Räbeliechtliumzug が、もうすぐです。
確か、11月の8日とか10日とかそのくらいのはず。
この日は夕方、日が落ちて暗くなってくると、普段なら灯る街頭に電気が灯ることなく真っ暗なままなので、あれ、今日もしかして、と思い出します。
ランタンがきれいに見えるように、わざわざ街頭の電気を消したままにしておくのです。
毎年このランタン祭りを見かけると思い出します…
このかぶのランタン、上の子が幼稚園の年少さんの時、親が呼び出され、作らされたのです!
私はこのかぶがRäbenと言うことも知らず、このランタンのことをRäbeliechtli、とスイスのドイツ語で言うのですが、それも知らず、とにかく夜、幼稚園で父兄会があるので来るように、という先生からのお手紙を読んで、慌てて行ったのです。
スイスの幼稚園や小学校、中学校も、親が集められるのはたいてい夜なのです。
その日の夜、夫は仕事で行かれず、私はわけがわからないままドイツ語のお手紙をを必死に読んで、指定されたように、エプロンとカッターナイフ、クッキーの型などを持参し、幼稚園に一人走りました。
これ、何に使うんだろう?と思いつつ。
そこで渡されたのが、大きなかぶ。
見本として先生が作ったものが飾ってありました。
え~ウソでしょ。
これ私が作るのお???
それまで見たことも聞いたこともないものを、いきなり作れって言われても…
何か、夜お祭りがあって子供たちが集まるというのは聞いていましたが、それにランタンが登場することも、幼稚園の年少さんには作るのはちょっと難しいので、親が作らされるということも、全く知りませんでした。
まず、かぶの上から2センチくらいの所を、ちょうど蓋になるように、切り取ります。
そして、表面に、クッキーの方などで、星形やお花型など、模様を付けます。
そして模様の中の表皮を薄く削り取ります。
模様を削ったら、中身をくり抜いていきます。
底の部分にろうそくが立てられるよう、下から釘をさします。
ろうそくを中に入れて、釘にさします。
手に持てるようにひもを通すため、かぶの上の方に3か所穴を開けてひもを通します。
2時間くらいかかって汗だくになった記憶があります…
もう必死。
この時しかし、アメリカにいた時作ったジャック・オー・ランタンの経験が役に立ったと思います。
かぼちゃより小さく柔らかいので削りやすく、かぶの方が作りやすいかも。
でもその分壊れやすいので要注意です。
皮をぐさっと突き破ってしまうと、作り直しですから…
必死で作ったランタンを持って家路を急いだのは、もう夜10時を回っていました。
上の子は次の朝、私の作ったランタンを見て大喜び!
「ママ、よーくできたねえー!」
と大騒ぎでした。
子供心にも外国人のうちのママ、作れるかなあ、と半信半疑だったのだと思います。
お祭りの日、子供たちの行列の後を親もぞろぞろ着いて歩かされました。
小一時間ほど真っ暗な夜の森の道を、歌を歌いながら。
今となっては良い思い出です… ハイ。